【本】
「御宿かわせみ十七 雨月」 / 平岩 弓枝
短編集。全8編。
・尾花茶屋の娘
兄嫁と不義密通した三男坊を預かったかわせみ。
その男は尾花茶屋の娘とも関係していた。
だが、娘には何か思惑があるようだった。
・雨月
駿河の茶を売り歩く男は生別れの兄を探していた。
東吾は人探しを手伝い、物語が始まる。
・伊勢屋の子守
伊勢屋の子守は、いつも赤ん坊をほったらかして
遊びに行ってしまっていた。
ある日、置き去りにしていた赤ん坊が行方不明になり・・・。
・白い影法師
江戸の霧の夜、東吾はたまたま、
千両箱を盗もうとする泥棒とでくわす。
霧の中で、逃げられたが、何故か
その泥棒の死体が翌日に見つかった。
・梅の咲く日
かわせみに泊まる、清水から来た孫八。
元は江戸に住んでいたが、
その昔、ある事情で、妻と子を捨て清水へ。
その時の子供が大きくなり、店を開いている。
金を渡したいと、東吾が相談を受ける。
・・・梅飯と蜆汁が美味しそうです。
・矢大臣殺し
横暴を重ねた名主の息子徳太郎が殺された。
犯人を捜すが、憎むものが多すぎて・・・。
*矢大臣は神社の随身門の右側にある象のことで、
弓矢を持って門を守るそうです。
片足は下へ、片足は胡坐の格好で、
居酒屋でお客が樽に座ってお酒を飲む姿に似ていることから、
そういう客を矢大臣と読んだり、
居酒屋時代を矢大臣と言うそうですφ(゚▽゚*)♪
・春の鬼
新左衛門とお妙が心中した。
だが、それはどう考えてみても
おかしい心中だった・・・。
*町役人(ちょうやくにん)とは町方役人とは違うそうです。
町方役人は幕府の役人ですが、
町役人は町人がなるものだそうですφ(゚▽゚*)♪
・百千鳥の琴
おみわという女性のために、
るいから琴を譲り受けた和光尼。
おみわは元々は吉原の出だったが、
今の旦那に身請けされ、夫婦になる。
だが、その旦那が殺され・・・。
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個人的な好みですが、
「伊勢屋の子守」「矢大臣殺し」が面白かったです。
正直、粒ぞろい!という短編集ではなかったなぁ・・・(~ヘ~;)ウーン