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♪ 音楽と言葉を愛する、歌作り人、遠野ルカの「窓」へようこそ ♪
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夢緒 見子さんの彼氏は、無職でミュージシャンだ。無職でミュージシャンという言い方はおかしいが、ミュージシャンとしては、お金を全く稼げないので仕方ない。
夢緒 見子さんは、キャリアウーマンで、外資系のトレーダーをしていた。マイペースで、ちょっと変わったところもあるが、知的な美人で仕事もできる。彼のギターために防音室も用意してあげられる位のお金も持っていた。
彼は優しくて、どちらかと言えばハンサムだったけれど、友達はなんで彼女が彼とつきあうのか不思議がった。夢緒 見子さんは、結構もてたし、その気になれば、もっと条件のいい男の人とつきあうこともできたからだ。でも、みんな、もしかしたら、とも思った。彼女なりの、大穴狙いな投資なのかも、と。
そして、ある日、ひょんなことで、彼の音楽はお金を生み出すようになった。たくさんのドラマや映画のクレジットに名前がのるようになった。時の人として、お洒落な雑誌の表紙を飾り、インタビューでは気のきいたジョークを言ったりもした。
友達は夢緒 見子さんの見る目に舌を巻いた。
そして、やっかみ半分、心配半分、彼が彼女を捨ててしまうんじゃないかと思った。ーよくあることのように。
だが、しばらくして彼は、レストランを予約して、大きなダイヤの指輪と花束で彼女にプロポーズした。
友達は舌を巻きすぎて、喉を詰まらせそうになった。夢緒 見子さんの見る目は本物だった。投資は大成功だ。
でも、夢緒 見子さんはあっさりとプロポーズを断ってしまった。
彼は彼女のためにラブソングを作り続ける。でも彼の音楽は、もう彼女に届かない。何かが微妙に、でも、夢緒 見子さんにとっては決定的に違ってしまったのだ。
友達は、夢緒 見子さんは、本当に変人なんだと思った。 
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庭に立っていたら、妖精が泣きながら歩いてきた。いい天気のさわやかな朝のことだ。
ぼくは彼女に「おはよう。どうしたの。」と聞いてみた。
  「羽をなくしたの。どこにもないの。」
見ると、彼女の背中には、うっすらピンクの痣があった。羽のあとだった。
「よく探した?」
「えぇ。花壇も見たし、茂みにも入った、楡の木にだって、てっぺんまで登った。でもないの。」
あの木を、羽もなく、こんな小さな体で登ってしまうことにぼくは感心した。
人ににたとえるなら、東京タワーを何の装備もなく登るようなものだろうか。
「狭い庭なのに、おかしいわ。」
庭の主としては、気分のいい発言ではなかったが仕方ない。こんなに悲しんでる妖精を怒れるわけもない。
彼女がシクシク泣き続けるので、ぼくは提案した。  
「ねぇ、あそこの穴はコビトの穴だよ。羽がないと、君はコビトみたいだ。いっそコビトになっちゃえばいいんだよ。」
彼女は、一瞬目を見開いて、ぼくをじっと見た。
「そんな。。でも、そうね、それがいいかもしれない。うん、そうする。」
指示語を4つ使った短い逡巡のあと、彼女は素早く駆けだして、穴の中に飛び込んだ。
急にしんとして、静かな朝が戻ってきた。太陽は乾いた光を庭にしきつめる。今日はいい一日になりそうだ。 
それにしても、彼女は怒るだろうか?
ぼくが彼女の羽を持っていると、知ったら。
ピエロは陽気に悲しさを踊った
連日連夜のパーティに終わりは見えない

・・・静けさを求めているのに
音楽を聞き続けるのは
耳も心も静けさに耐えるための
強さを失っていると知っているから


ピエロは楽しげに残酷な紙芝居を語った
聞き入る子供たちは大人になるつもりがないらしい

・・・安らぎを求めているのに
騒がしさに慣れてしまった心は
安らぎが訪れることを恐れている

せめて好きな歌を聴こうと
ピエロが言った

ぼくは答える
そして歌うんだ
あの大広場のど真ん中で

091015.jpg

「額の真ん中にあるのは、汚れなんかではないのですよ。

昔々のことですが、
私の白い毛並みに恋をした虫がいまして

その虫が何を思ったか、
ある日、私の額にはりつき
いつまでもいつまでも離れずにおりまして

気づいたら、とうとう
こんな模様になっていたのです。

あぁ、
今日の秋の空は、
私の目と同じ色のブルー。

こんな日はあの健気な虫のことを思うのです。

飛び回るより
私の額の模様になることを選んで

こうやって
地を歩くしかない私のそばにいることを望んで

私の目の色を
空の代わりにすると言ったあの虫を。」

moritotsuki2.jpg

森と月の乱舞

 

森は月明かりを吸い込んで
白い影が木々の間をめぐりめぐり

考え事をするには
短すぎる一生のかげろうは
いのちを燃やし尽くすまで
楽しみたいそうです

ユニコーンのいななきが
パーティの合図


お酒をたくさん飲んで
真夜中にこっそり逢いましょう
パーティを抜け出して


大切なことはあの老木のうろに
隠してきました
小人の槍とかぶとむしの角に
守られています

樹液のパンケーキは
秘密の香りでいっそう美味しいでしょう


この秘密については
真夜中にひっそり語りましょう


お酒をたくさん飲んで
パーティを抜け出して
 

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