【本】
「怪物が街にやってくる」 / 今野 敏
ジャズのお話です。
とは言っても、SFっぽさなどもあり、
単なるジャズのお話ではないところが面白かったです。
特に、ライブシーンの描写はリアリティがあり
思わずジャズを聴きたくなるほどです。
短編集 全6編
■怪物が街にやってくる
武田という怪物的才能をもったドラマー。
ある日、彼はライブ中に奇妙な視線を感じるようになる。
不安を覚える彼の前に、生かし屋があらわれ
武田の命が危ない事を告げます。
そして武田を守ってくれると言います・・・。
■伝説は山を駆け降りた
行き詰まったテナーサックス奏者。
彼が復活するまでの話。
苦悩する様子から、
ジャズへの情熱を取り戻すまでが描かれます。
途中、ジャズのルーツが日本であるという
ちょっと無茶だけど面白いエピソードが一つでてきます。
■故郷の笛の音が聞こえる
武田の元いたトリオのリーダー、上杉の話です。
上杉が南米の友達からもらった不思議なケーナ(笛)を中心とした話です。
上杉はこのケーナを手に入れてから不思議な幻覚を見るようになりました。
笛の魔力のせいか、ライブもうまくいくようになりましたが、
ある日、ライブ中に念力の妨害が入るようになり・・・。
■処女航海
宇宙人と結婚した地球人男性がいて、
二人が宇宙へと旅立つ話です。
宇宙のパスポートなる素敵なものがあり、
それを手にすると、
宇宙のどこでも旅ができるのです。
SFですが、ちゃんとジャズがでてきます。
■旅人来たりて
ある星系の酒場につかれきった様子の旅人が、立ち寄ります。
皆、なぜか彼が気になり関わりたくなります。
彼の持つ黒いケースには何が入っているのか・・・。
■ブルー・トレイン
ある田舎町に演奏旅行に出かけたカルテット。
ピアノはスタインウェインのフルコン、
ライブは異様なほどの盛り上がり、
とありえないことが続きますが・・・。